今日もめくるめかない日

植物少女/朝比奈秋

小説を読んでいると、ときどき、本当のことが書かれているな、と思う作品に出会う。小説は基本的にフィクションであって、なかには事実をもとにしたものもあるけれど、事実がどうとか実際に起こったことを本当と言っているのではなく、ご都合的なことがなく…

最近のこと

夏の終わりからいままで、少し忙しくすごしていて、気づいたらなんとなく肌寒い季節。秋はわけもなく感傷的になりますね。 内定をもらえた 引っ越しをした トークイベントに行った 内定をもらえた 八月にアワワワワと転職活動をしているということを書きまし…

無垢なる花たちのためのユートピア/川野芽生

今年はまだ三か月も残っていますが、読んだ瞬間に私の今年のベスト3に入った小説がありました。感想をうまく書けるか自信がなかったのでブログでは紹介してこなかったのですが、やっぱり多くの人に読んでほしいという気持ちが日に日に増していくので、書く…

今まで読んだ漫画に出てきた情緒を狂わせてくる男子

記事のタイトルがもう。そういうわけでとつぜん本題に入るけれど、今まで読んできた漫画に出てきた、どうしようもなく夢中になってしまった男性キャラクターをまとめてみた。思い返せばリアコの数々(すぐだれかを好きになってしまう)、絶対に面と向かって…

蹴りたい背中/綿矢りさ

クラスで浮いた存在にはなりたくないけれど、くだらない慣れ合いはしたくない。侮られたくない。見下したい。わかった気でいたい。わかられたくない。 学生のころ感じていたことを驚くほどの高解像度で思い出してしまうのが綿矢りささんの「蹴りたい背中」で…

映画「さがす」を観た(あきらかに有料コンテンツ)

先日アマプラで映画「さがす」を観たのですが、10日以上経った今でも、ふと映像が頭に流れてきて離れない。とにかく強烈な映画だった。映画を観た夜はクソヤバな殺人鬼に追われ部屋に追い詰められ窓の外からじっと見つめられいつ殺してやろうか…?みたいな視…

転職活動アワワワワ

たまに自分のブログを読み返すと、なんだか前書きが長いことに気づく。導入がなにかしらないと落ち着かない性分なのかもしれない。でも大抵たいしたことは書いていないので、たまにはさくっと本題を書く。転職活動中である!(すでにだらだら書いてしまった…

誕生日プレゼントは贈ってくれるな

あと10日ほどで誕生日がやってくる。 誕生日というのはわけもなくなんだかそわそわうれしくなるもの、とくに何をするわけでもないけれど、妙に待ち遠しくなってしまう。 おめでとう、と言われて、ありがとう、と返す面映ゆさ。これでじゅうぶん、なので誕生…

SFのよみかた

今週のお題「SFといえば」 SF作品と呼ばれるものを、そういえば私はいままであまり触れてこなかった。 SFといえば、エヌ氏やエフ氏が出てくるもの、キツネが宇宙に旅だったりするもの、人類がコールドスリープを体験するもの、ロボットと人類が友情を築いた…

ほんものの(ペーパー・リリイ/佐原ひかり)

ボール紙の海に浮かぶ紙の月でも私を信じていれば本物のお月様 作り物の木と絵に描いた空でも私を信じてくれたら本物になる 映画「ペーパー・ムーン」の冒頭で流れる曲の歌詞の一部。 eiga.com 映画をあまりみてこない人生だったけれど、この「ペーパー・ム…

今日の日記

今日は朝五時に起きることができたので、夫と一時間ほど近所を歩き、さらに大きめの公園で少し走ったのだけれども、たいへんくたびれた。 朝の五時はすっかり夜があけていて、青空がひろがっていたけれど、風があって涼しかったのがよかった。公園には六時前…

読んだ本(2022年上半期)

なんと梅雨が明けたらしいです(私は関東住まい)。毎日あっつい、あつすぎる。夏のはじまりはいつだって美しくきらきら輝いているイメージですが、実際外を歩いていると、まぶしいものを感じている場合じゃないよね。夏の写真とか絵とかみてるだけ、文を読…

書いた記事をまとめました

ブログを書きはじめて一年ちょっと、先日やっと投稿記事が50を超え、細々とやっているこのブログも読んでくれる人が増えている気がする。ありがとうございます。 そこで今まで書いた記事でなんとなく気に入っているものをまとめてみることにしました。本当は…

おいしいごはんが食べられますように/高瀬隼子

職場での暗黙のルールというのはいつのまにかできている。「こうしよう」とだれかが口にしたことはないはずなのに、いろいろなことが「そういうふう」になっている。「そういうもの」だと思わなきゃいけないことになっている。 どんな職種についても思う。仕…

自分の本棚、好きな本しかない

最近、本棚の整理をしました。ずっと著者の名前順にしていたけど、なんとなく版元ごとに並び替え。本当はもっと横に長い本棚がほしいとつねづね思っているけれど、部屋の広さ的にむり、いつか死ぬまでに書斎というものを自宅に置きたい。そうするには賃貸で…

小説新潮5月号&6月号感想

短編は無限のちからを持っているとおもう。いや、そもそも小説自体が無限のちからを持っているといっても過言ではないのだけれど(そんなこといったら、この世の創作物すべて無限のちからを持っているはずなんだけれども)。 短編というのは、まあ短い話なの…

「鎌倉殿の13人」めっちゃおもしろくないか

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」めっちゃおもしろくないか。ここでわざわざ言わなくても、きっといろんな人が「おもしろいよ」って思っているはずなんだけど言いたい、めっちゃおもしろい。 www.nhk.or.jp そもそもわたしはドラマを観続けるのがにがてなのだ。何…

失恋の悩みを友達に聞いてもらった時間よりaikoの曲聴いていた時間のほうが長いと思う

この世における平均失恋回数はどんなもんなのか予想もつかないけれど、わたしの失恋回数はきっと低くはないと思う。 失恋。恋を失うこと。いろんな失い方があるけれど、恋をした数と失恋をした数はほぼ同じになるはずであり、少女漫画に焦がれ果てたわたしが…

ヤクルト1000はすごいのかもしれない/怠惰のための無理しない生活

先日健康診断に行ったら体重が増えていてヤバイなと思った。いや、年々増えているなとは思っていたけど、体重計に乗るのもなんかいやだし(現実逃避)、まあまだ許容範囲であろうと自分に甘く過ごしていたら、そろそろこのまま放置しておいたらかなりヤバイ…

ああ壇ノ浦(平家物語、鎌倉殿の13人のこと)

歴史にはまったく詳しくないのだけれど、なぜか唐突に、2022年は歴史を知る年にしようと思い立ったのが昨年の暮れ。しかし歴史を知るというのにも、自分がどんな分野に興味があるのかもよくわからない、あてもなく歴史歴史……歴史を所望……とかぼやいていたら…

文藝夏季号(怒り特集、あくてえ、ふるえるのこと)

怒ること 「怒り」特集 あくてえ/山下紘加 ふるえる/彩瀬まる 怒ること 最近、家でも職場でも怒る日が多かった。夫とは喧嘩が勃発し一カ月ほど膠着状態、職場では何度言ってもわかってもらえないということが続いて、ひたすらきりきり怒っていた。 怒る自…

いつかこだわりたいものをみつけたい

昔から物にこだわることがなかった。服、靴、コート、バッグ、家電、財布、化粧品。どうしてだろう、「まあべつに、使えればなんでもいっか」という気持ちになってこだわれない。考え抜く、選び取る、決断する、というのが苦手だしできない。だからわたしが…

鳩の栖/長野まゆみ

名は体をあらわす、という言葉があるけれど、どんな名であっても、どんな体であっても、「その人」が「その人」であれば、それでじゅうぶんなのだよな、というようなことを考えている。こわがりだったり、見栄っぱりだったり、少しいじわるだったり、やさし…

憧れの「おもしれー女」

現実と妄想の区別がつきにくかった少女時代、わたしは「おもしれー女」に憧れていた。脳のすみずみまで少女漫画が浸透されていたのだ。脳内メーカーをおこなえば、「恋愛」「おもしれー」「おもしれー とは」しか表示されなかっただろう。 言わずと知れた「…

石けんの終わり・アンコウの一生

2022年がはじまり三週間ほど、今年はじめて連絡をとる人に「あけましておめでとう!」とLINEをすると、「もう言わなくない?笑」という返事。そ、そうなんですか。2022年において「あけましておめでとう」はすでに死語であるらしい。それでも今年一発目のブ…

「個性」が欲しくてしかたがなかったころ

投稿するということはまったくなくなったけれど、ときどき思い立ってFacebookを開くことがある。するとたいていの確率で、「○年前の思い出です!」というポップアップが、自分が投稿した写真とともに表示される。そこに写っているのはたしかに自分なんだけれ…

とてもよかった本15冊(2021年)

写真はとくに内容とは関係ないです 2021年も残すところあと二週間ほど、今年は本当にどこにも行かず、仕事をするか家で寝てるか本を読んでいるか、という感じだった。なのでここ数年のあいだでは、いちばん読書量が多い年だったように思う。そんなわけなので…

冬に読みたい小説など

十二月である! 寒いのはとても苦手だ。起きるのもつらいし寒いというだけで元気がなくなってしまう。けれど、冬に読みたくなる小説をさがしてみれば、寒さも愛しくなるのではないかと思ってまとめてみることにした。べつに夏に読んだっていいのだけれど、読…

「麦」について

以前、「折について」という記事で折ということばのヤバさについて語ったけれど、わたしはまたとんでもないことばを発見してしまった。それは……「麦」……。麦……。ヒィ~~~! なんといっても麦は字が書きやすい。 バランスが絶妙。たとえば書きづらい字とい…

ブレークポイント設定!デバッグスタート!(偶然の聖地/宮内悠介)

パーカーのフードを深くかぶって、伸ばしっぱなしの前髪からときおり見せる鋭い目、それじゃあ視力低下待ったなし、というくらいの真っ暗な部屋で、パソコンのモニターだけが青白く(あるいは黄緑色とかに)光っていたりして、そのモニターの前でなんかぶつ…