今日もめくるめかない日

感想

生活と不思議(レースの村/片島麦子)

一行目を読んだとき、「あっすきだ」となる小説にときどき出会う。わたしはこれをひと読み惚れとよんでいて、昨年この出会い方をしたのが「レースの村」(片島麦子/書肆侃侃房)、初出は同出版社から出ている文学ムック「ことばとvol.1」。文芸誌の良さに気…

透くんのようになりたい人生だった

わたしは生粋のりぼんっ子であるので、少女漫画=集英社という意識が根底にあった。集英社こそ絶対神くらい思っていたが、それでも集英社以外にも夢中になった少女漫画ももちろんたくさんある。 先日、掃除でもしようと重い腰を上げたときに視界に入った漫画…

「本物」の友情を手にした瞬間(ナイルパーチの女子会/柚木麻子)

だいたいにおいて、この世の中は不確かなものが多すぎる。正しさと間違い。幸福と不幸。感情、愛情、友情。どれも明確なかたちはないけど、あるとされているもの。指標にされるもの。そして縋りたくなるもの。 かたちがないとはなんて厄介だろうとつねづね思…

幸せになって、当て馬男子

推しになるのはだいたい当て馬男子 赤星栄治 CRAZY FOR YOU/椎名軽穂 相馬蛍 ラストゲーム/天乃忍 花沢類 花より男子/神尾葉子 当て馬男子はなぜ報われないのか 当て馬男子には幸せになってほしいと思っている ちなみに最推し 推しになるのはだいたい当て…

しるし、暴力、美しさ、本当のこと(ヘヴン/川上未映子)

現代の作家で好きなひとを挙げろと言われたら、まず最初に川上未映子を挙げる。文体、選び取るテーマ、訴求力、ことばの美しさ、つむがれる物語、どれをとっても、たいへんうっとり、ぐさぐさ、とにかくもう大好きなのである。そんななかでも「ヘヴン」、こ…