今日もめくるめかない日

フルバのアニメを観たらクソデカ感情を対処しきれなくてやばい

 観た。ついにぜんぶ観た。なにを観たって、アニメ「フルーツバスケット」1st season~The finalしかない。わたしとなんやかんやで長く付き合っていただいている方は(ありがとう)「こ、こいつまたフルバの話してやがる」と思うかもしれない。でもなんと思われてもわたしは何回もフルバの話をする。
 フルバと出会ってたぶんもう20年(!?!?!?!?!?!?)、夾くんにハートを撃ち抜かれてから彼以上の人を見つけられないんだけど、わたしあと一体何年フルバの話するつもりなんだろマジで。むしろ本当はそろそろ耐性つけて「フフ、やっぱりいつ読んでもフルバはいいわね」とさらりと楽しみあとは普段どおりに生活したいんだけど、読んだり観たりするたびに夾くんしか勝たんというクソデカ感情に飲み込まれるゆえ実生活もままならない。この作品が存在している世界線やばい。
 しかたがないので、夾くんを忘れるためほかの少女漫画を読むという、「男なんて星の数ほどいるんだから」作戦を決行するが、クソデカ感情がそれぞれに分散されるだけで余計ダメージがひどくなった。なのでこっちのクソデカ感情も放出した(ラストゲームを読んだらやっぱりクソデカ感情を対処しきれなくてやばい
 できることといえば思いの丈をとりあえず書いて放出し、すっきりさせる、もうこれしかない。

 そもそもフルーツバスケットのアニメは2001年に放送されているが、このときは原作が連載中とのこともあり原作6巻あたりまでをアニメ化していた(全23巻)。これはこれで素晴らし~~~~~~いアニメになっているのだが(岡崎律子さんの歌声やばい)、全編アニメ化決定のニュースが2019年に舞い込んできたときには、それはもう「生きててよかった~~~!!!」と思った。
 とはいえなかなか毎週リアルタイム視聴というのも難しく、アマゾンプライムにて全話配信されているのを一気に観た。本当いつもお世話になります。

 わたしは少女漫画だいすきだけど、実は実写化とかアニメ化とかなると、ちょっと遠慮してしまうタイプで、というのもなんか観てると恥ずかしくなってしまう。キラキラしまくっていて目のやり場に困るのと、「こ、こんなときめくだけに生まれた高校生が現実にいるわけないやろがい」ってなぜか漫画では許せるのに動くものになると、急に気恥ずかしくなって「か~~~ッもう観てられんわ」と唾を吐きたくなる。
 しかしフルバは違う……。わたしの性格上、透くんの「はわわわわ、あのあの!みなさんっ落ち着いてください~~!」みたいな動きやしゃべりはイライラする傾向にあるというのに、なんだかにっこりしてしまう。あの髪のリボンだって、「こ、こんなリボンのつけかたあるかい~~!!」と突っ込んでしまう性格をしているのに(「君の名は」では突っ込んでしまった)、透くんのリボンは許せる。由希にももらったしねっ!

 それにしてもやはり「動く」というのはいいね。あと音楽が入るのもいい(挿入歌よかった……)。そして今回のアニメ、かなり原作に忠実につくられていて(100%ではないにしろ)、わたしは原作厨ではない、ではないけれどやっぱり原作あってこそだし、「あの場面が観られる……!」と思うとそれはもう大興奮。
 ひとつひとつのセリフを覚えているせいで、アニメ観ながら心のなかでキャラクターがセリフを言う前に自分で言ってしまう始末(いちばん興奮したのは「ほっせえなあ」です。ひぃ~~~~思い出しダメージ)。なんならコマ割りすら脳内に浮かんでいるし、原作ではフキダシ外にある作者直筆のちょっとした一言などもしっかり入っていてワーオ!テンション上がっちゃうね。ただ、紅葉が透くんのためにいつかバイオリンを弾くという約束をするとき、わたしはひとりで「星に願いを……」とうっとりしちゃったけど、アニメでは「生まれる願い」って言っていてちょっと恥ずかしくなってしまった。いろいろ事情があるんだよね。この「生まれる願い」というのが最高の挿入歌のタイトルです。
 あと「イラチ」も聞けたしね。「ん?どうした?」も聞けたしね(演出がめちゃくちゃキラキラしていてやっぱりこのシーンみんな好きなんだねって思ってうれしかった)。
 
 そういえば原作を読んだばっかりのころは、由希が透くんに求めているものをちゃんと理解できなかったけど(恋愛脳すぎた…)、今ならわかるし、わかるからこそ由希の透くんへの対応にひとつひとつ納得しながらアニメを恋愛脳じゃなかったころの自分とは違う視点で観られてそれもよかったし、リンと自分を重ねる場面なんかは本当、ほんとう全編ありがとうございましたの思いしかない。
 そして別荘編では、由希は透くんに対して「愛しい」と思うんだけど、夾くんははっきりと「好きだ」と思うんだよね、この二人の対比がすでに結末に向かっていて、そしてでもだからこそ由希が夾くんに対して複雑な感情をさらに抱くことになるのもわかるし、もうほんとどうしてくれるんだ。
 夾くんが猫憑きの本来の姿を見せてしまった場面は、ちょ、ちょっと透くんを吹き飛ばしすぎじゃない…?と思わないでもなかったですが、やはりここは少女漫画史に残る名場面。何度観ても夾くんが透くんの名前を呼ぶところがいいし、雨が上がって猫になった夾くんとちゃんと服も抱きかかえて帰ってくるのがよすぎる。猫になっているというのがよくて、これはイコール抱き合ったにつながるんですが、それを師匠があたたかいまなざしで迎えてくれるのを、セリフなしで一枚の画で描いてしまうのどう考えてもやばくないですか?
 
 あと2nd seasonのED「ad meliora」がよすぎた。十二支の亥→子まで逆順に登場していくんですが、子まで登場したあとすこし離れたところで猫と夾くんが出てきてその登場のさせ方がほんと、胸がっ……くるしい、だれかわかって。

 しかし全編とはいえ、ところどころカットされた話はあったもよう(今日子と勝也の話はまた別で制作されるようですね)。フルバには名場面がおそろしいほどあるんですが、わたしのベスト8に入るのが由希が綾女に対して「兄さんは馬鹿だけど愚かじゃない」と言う場面。これは「馬鹿」も「愚か」も「ばか」と読ませるんですが、あ、アニメでは一体なんて言うんだろ……!? ルビどおりにいけば「兄さんはばかだけとばかじゃない」だけど、でもそれだと原作を知らない人にはしっかり意図が伝わらないんじゃないの…でも「兄さんはばかだけどおろかじゃない」だとめっちゃ普通だし伝えたいことの1/3も伝わらないんじゃないの…一体どうするつもりなの……!? と思っていたら、そのシーンなかっ、た……。
 また、由希が生徒会長に就任し奮闘しているとき、由希が透くんに花壇の花が綺麗だと伝えることがあるんですが、由希くんがちょっとくじけそうになったときとか、透くんがその花壇をひとりで嬉しそうに見ている場面があって、そういうところが透くんの素敵なところで、二人で会話するわけでもないけどすごく通じ合っている感じがすごくよくて……ただアニメにはそのシーンなかっ、た……。
 また、真鍋と透くんの関係も明らかにしていなかったですね(もしかしたら今日子編でやったりするのかな……!?)。きっといろいろ事情があるのだろうし、脳内補完しているのでOKです。十分すぎるほどたのしませてもらいました。
 帽子にかかわる三人のあれこれもかなり丁寧に描かれていて、それはつまり夾くんと由希が互いに憧れあっていたことを知るあの喧嘩により胸を打たれる布石……ほんとっとんでもねえ作品だぜ……。

 それにしてもこのフルバアニメを観る人はやっぱり原作を知っている人がほとんどなんだろうか。初見でも初見じゃなくても一話からしっかりつくられているからそこはどちらでもたのしめると思うんだけど、The FinalのED、イラストは原作の高屋奈月先生が描いたんだって、最高だった……なんだけど、結末をまったく知らない人にとってはネタバレになってしまうのではないのか…!? でもFinalだしいいのか、でもいやこんなのは野暮だけどでも……と勝手な心配をしてしまった。わたしはめちゃくちゃテンション上りましたけど。あと最終話のEDで棚の内容変わってるの、もうなにもかもわかってるし感情爆ぜたわ。透くんと夾くん尊すぎて意味わからん。
 
 書いてたらちょっと冷静になってきた感じある。とりあえず感情をしずめるためにフルーツバスケットanotherも読み返したりしてたんだけど、なんか結局夾くんしか勝たん……。anotherは草摩のみんなの子どもがメインとなっているお話で、親世代は子ども同士の会話でしか出てこないんだけど、それでもみんな倖せそうなかんじだし、なにより子たちがみんないい子で、それはつまりみんなが倖せに生きているということで、由希たちの子どもがふざけたキャラなのも夾くんたちの子どもが生徒会長やってるのもその二人が仲良さげなのもエモのエモのエモーショナルでおもわずにやにやなどしちゃったりするんだけどそれはつまり結局夾くんしか勝たんというワケ。

 

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