この世における平均失恋回数はどんなもんなのか予想もつかないけれど、わたしの失恋回数はきっと低くはないと思う。
失恋。恋を失うこと。いろんな失い方があるけれど、恋をした数と失恋をした数はほぼ同じになるはずであり、少女漫画に焦がれ果てたわたしが実際に恋に落ちまくってしまうのももはや必然であり、何度も人を好きになっては何度も失恋を経験してきた。
立ち直り方はいろいろあった。誰かに話を聞いてもらうとか、おいしいものを食べるとか、なにもかも放り投げて遊びまくるとか。しかし失恋というのは何度経験しても慣れないもの。たぶんあと四日後くらいにふられるな、と気づいてしまうあの瞬間。そして予想どおり訪れる絶望の時間。誰かに話を聞いてもらっても気が晴れない、おいしいものを食べても味がしない、そもそも遊びに行く元気が出ない、ということはざらだった。そういうときにわたしの支えになったもの、そう、それこそが失恋ソング……
この世には、わたしのこと歌ってんのか?と思える歌が多すぎる。絶望の淵にいながら、「自分の歌だ…」と思い悲劇主人公思考に拍車がかかり、その思考に酔うことで失恋から立ち直ってきたところある。というわけでたいへんお世話になってきた失恋ソングの数々を発表します。わたしが主に失恋を経験していたのは10〜15年ほど前のこと、選曲もそういう感じであるし8割aiko。失恋の悩みを友達に聞いてもらった時間よりaikoの曲聴いていた時間のほうが長いと思う。
失恋したて、マジで無理、なにも考えられない、つらすぎる、の時期に聴く歌
少しでも前向きになろう!とか、相手の幸せを願うのだ…とか、そういうことは一切考えられないし、マジで自分がとにかくかわいそう、だれかに「元気出して、まだまだこれからだよ!次は絶対幸せになれるよ!」とか励まされても「黙れ…」としか思えない時期に聴きたい歌。いいから絶望のままでいさせてくれ。
雨の日/aiko
ご存知ですかこの歌、悲しげなメロディーと音階、しかしどこかリズミカルでそのアンバランスさが余計にわたしを悲しくさせる。「さよならさよなら」の部分の歌い方がとにかく悲痛、わたしも歌に合わせて1000回はさよならと言ったし雨止むんじゃねえ…と心の底から思った。
親指の使い方/aiko
まさかこんな親指の使い方があるなんてね……。全部わたしのこと歌ってる?なにからなにまでわたしのこと歌ってる?うまく言えないの、わかる、欲ばったんじゃないのもわがまましなかったのも、わかる……でもたぶんうまく言えていたら、そもそも恋になってなかったんだよ……
タイムマシーン/chara
前奏の始まり方がすでに涙を誘うし、少し笑い声が入るじゃないですか、わたしに何かを思い出させようとしている…?あの人とのことを…?「今以上人をキライにさせないでください」…?なんでわたしの気持ちわかったの…?タイムマシーンはこなかった……わたしのところにも……
September/aiko
どうでもいい情報ですが、わたしは夏の終わりに失恋することが多かった。Septemberって……この歌、ひたすら「まだ好きでどうしよう」と本当にまったく答えが出ないまま最後まで歌い切るんですが、それにどれだけ救われたか……前向いていこうよという歌は、この失恋したての段階ではただの狂気だった。
Last Smile/LOVE PSYCHEDELICO
LOVE PSYCHEDELICO Last Smile 歌詞 - 歌ネット
恋をしたらいつでも全部運命と思っていた……しかし全部other way……loser……
DOLLS/Janne Da Arc
「」の部分ぜんぶわたしが言ったセリフか?
落日/東京事変
好きすぎて切なすぎてどうしようもなくなる。前奏から後奏まで泣かずにいられない、日が沈むたびこの歌を聴き、白け切った夕日に君を何度思い出したか…………
ボクのことを知って/Chara
Charaでいちばん好きな歌。いてよ、聞いて、知って……ああ〜〜〜〜!!!!!!!!
ソラニン/ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATION ソラニン 歌詞 - 歌ネット
めちゃくちゃ好きだった人がよく聴いてた。「寒い冬の冷えた缶コーヒー」飲んではいつも切なくなった。元気してるのか……。
浮気をされた(浮気相手が自分だった)と知ったときに聴く歌
かなしいことに、浮気されるというか自分のほかに本命がいたというパターンが多かった。失恋ということそのものが悲しいというのに、まさかの自分は本命じゃなかったというひどい裏切り、しかしまだ好きでしょうがない、だれもわたしも励ますな…というときに聴きまくっていた曲。
二時頃/aiko
なにも言わずに歌詞を見てくれ、そして聴いてくれ。この歌を聴いたときから本命の女はわたしのなかでtinyな女の子、勝手なイメージでつくるtinyな女の子に嫉妬しまくっていた。何回聴いたかわからん、ぜんぜんわからん、あの人の気持ちもぜんぜんわからん……。
DO YOU THINK ABOUT ME?/aiko
aiko Do you think about me? 歌詞 - 歌ネット
なんてこちらを消耗させる歌なんだ……消耗するのは「わかりすぎる」から……tinyな女の子に続き「イイコチャン」もわたしの敵だった。
カウントダウン/Cocco
うじうじモードから少し立ち直ったときに聴いて、自分の自信を取り戻す。それにしてもCoccoがいなかったらわたしはただただ自分で自分を傷つけて終わっていたかもしれない。Coccoがかわりに男をひどい目にあわせてくれたので、わたしは失恋相手のことを忘れてこれたんじゃないか…?
少しずつ立ち直ってきて余裕が出てきた、思い出を美化したいときに聴く歌
絶望のさなかにいても、なんやかんやで少しずつ元気は出てくる。友人からの励ましも前より素直に受け取ることができてきたら、過去を美化するにかぎる。それは同時に自分のことも美化できるのだ。ときには泣くときだってある、だけどわたしは強い!と日下部まろん的な思考になったときに聴きたい歌。
恋人/aiko
はじめて聴いたときは息が止まるかと思った。歌い出しからやばすぎる。相手のこと解りたかった。心が落ち着いちゃうような存在になりたかった。
ひまわりになったら/aiko
別れたあとはなんとかして友達に戻りたかった。それもいちばんの友だちというやつ。そんな存在は、できなかった……。だれかのひまわりになりたかったよ……。
鮮やかなもの/Every Little Thing
Every Little Thing 鮮やかなもの 歌詞 - 歌ネット
「Time gose by」でも「fragile」でもない、ELTの名曲は「鮮やかなもの」なのだ……。あの時間は決して無駄ではなかったと、わたしも何度も考えたよ……。
サヨナラダンス/YUKI
「うまく忘れ」られたかはわからないけど、YUKIもこう言っているのだから忘れようと思えた。「期待したのは私の方だ」って、だからなんでわたしの気持ちわかるの?
密かなさよならの仕方/aiko
そう、だれもさよならの仕方を教えてくれないのである……。大きな声でさよならを言おうと決めた結果、わたしは放課後の教室から「ずっと友だちだよ~!」とか叫んでしまったのである……。
気付かれないように/aiko
すっかり忘れていた人が、とつぜんインスタなどで結婚報告をしているのを見るとめちゃくちゃ切なくなって酒におぼれるのですが、そういうときに聴きまくった歌。もうどうにでもしてくれよ……。
失恋ってなぜこんなに切ないのだろう。できればもうしたくない。だけど失恋ソングはきっと一生好きである……。