今日もめくるめかない日

幸せになって、当て馬男子

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推しになるのはだいたい当て馬男子

 最近はあまり時間が取れないが、よく漫画を読む。わりと幅広く読むほうで、「絶対このジャンルがいい!」とかそういうのはない。しかしだいたい夢中になっていたのは少女漫画であった。夢中になる度合いがほかジャンルと比べて常軌を逸していた。夢中になるものには推しが存在する。その推しになる人物の多くが当て馬男子と呼ばれるキャラクターだった。

 当て馬男子。この言葉が存在することを知ったのは数年前だけれども(「じゃない方男子」という言葉もあるよう)、当て馬男子に惹かれる傾向は十五年ほど前の高校時代からあった。当て馬男子とは、ヒロインのことを好きになるが結局報われない、不憫な二番手男子のことである。

 ただ、二番手に位置づけられている人が全員推しというわけではない。高校デビューではなにがなんでもヨウ、ラブ★コンではなにがなんでも大谷だった。また、パフェちっくの壱と大也のような、最初から「ここが三角関係になるのね」とわかるもの、あるいは「ど、どっちを選ぶの……!?(展開が読めない)」と当て馬男子要素がないとあまり燃えない。当て馬男子は、なんというか「あ、この子当て馬だわ……」とわかる男子のことなのだ(あくまで当て馬男子という点で見たときに燃えないというだけで、パフェちっくめちゃくちゃ好きだったけどね。かなしいかなやはり壱派)。

 当て馬男子はだいたいヒーローの友人あるいはライバル的なポジションにいて、最初はヒロインのことなんて眼中になかったくせに(あるいは最初はまったく登場しない)、あれ? 気付いたらこいつのことめちゃくちゃ考えてる……そこからひたすら一途になる俺、「いいから俺にしとけよ」みたいなセリフを出してくれる展開が激アツだった。

 私がはじめて出会った当て馬男子(当時はそんな言葉もなかったが)、彼によって私の好みが決められた気がする。高校時代、友人が持っていた漫画だった。友人宅へ遊びに行き、気軽にすすめられてふんふんと読んでドはまりした。寝ても覚めても彼のことを考えては胸が締め付けられた。イケメン、優しい、S属性あり、ツンデレ、ここぞというときにあらわれる、なんかもうすべての要素を兼ね揃えたスーパー当て馬男子だった。それが彼だ。

赤星栄治 CRAZY FOR YOU/椎名軽穂

www.s-manga.net

君に届け」で有名な椎名軽穂先生の作品。天然いい子ちゃんな主人公幸、自然女たらしなヒーローユキに振り回され傷ついたりするんだけども、そんなとき颯爽と登場するのが赤星くんだよ。不器用ながらも幸がつらいときいつもそばにいてくれたんだよ。ずっと幸のこと好きでいてくれ頼む。そしてどうか報われてくれ……最後まで願っていた。ごはん食べてるときも宿題をするときも眠る前も登校中も授業中も赤星くんのこと考えていた時期があって、マジ罪な男だった。シャツの柄以外、完璧な男だった。

  相馬蛍 ラストゲーム天乃忍

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 意地悪、おしゃれなのに田舎出身たるギャップ、世話焼き、案外しっかり者、ふだん素直じゃないのにたまにいきなり素直になる、さらに後輩属性がプラスされたとんでもない当て馬男子。九条への気持ちを自覚したあとの蛍くんやばい。ただ蛍くんの不憫なところはマジで入り込む隙がないよね……って読者すらも思ってしまうところ。いや漫画なので、この二人が最終的にくっつくんでしょっていうのは必ずあって(もちろん例外もあるが)、でもそんななかでも、ヒロインがちょっとふらりと気持ちが揺れるとかそういう場面があって、一瞬でも当て馬男子が報われることがある(結局そのあとふられるのでこれはこれで不憫)。しかし蛍くんの場合はそういうのがない。期待させない。いや、ちょびっとあるんだけどない。蛍くん自身もそれを自覚しているのにめっちゃ一途に思っちゃうから、なんかもう抱きしめたい。

花沢類 花より男子神尾葉子

books.shueisha.co.jp

 言わずと知れた名作。やっぱり道明寺よりも花沢類なんですよ。だって絶対花沢類のほうがかっこいいじゃんか……。普段ぼーっとしてるくせに、いきなりかっこよくなる瞬間やべえ。推せる当て馬男子の絶対条件として(むしろこれがないと当て馬男子とはいえない)、「ヒロインが傷ついていたら駆けつける」というのがあるけど、まさかニューヨークにまで駆けつけるとは思わなかった。ニューヨークって。駆けつけすぎだろ。当て馬男子は気持ちを自覚した瞬間の行動力がすごいのだ。ヒロインのことしか考えてないのだ。そういうとこも推せる。あと美作はもっと頑張って。

 当て馬男子はなぜ報われないのか

 これは簡単なことである。「ヒーローを好きでいるヒロイン」を好きになってしまうからである。不憫。私は彼らの幸せを願ってやまないのだけど、「彼らの幸せ=ヒロインとくっつく」ことだと思っているので、正直に言うと「最終回あたりでヒロインの友達的なポジションにいる女の子といい感じになりそうな雰囲気」を許すことができない。ていうかヒロインのこと一生涯思って彼女とかつくらないでほしい(鬼畜の所業)。

 当て馬男子のくくりとは少しずれるかもしれないけど、ご近所物語の田代勇介も推しだった。彼はバディ子と良い感じになりつつも、最終的に歩とくっつく。……いいんだよ。幸せそうだし歩はいい子だし。大人なんですから、各々が思う道を進めばいい。バディ子だって修ちゃんとなんだかんだうまくいくのかもしれないし、それが互いの幸せなのかもしれないけど、

だけど私は勇介とバディ子がよかったんだよーーー!!

 それ以外考えられなかったのだよ……歩はほんとうにいい子だから憎めないところもううう、くそうという気持ちが生まれてしまうので、「ほかの女の子とくっつく」展開はまったく望んでいない。べつに自分が好かれているわけでもないのに、相手の気持ちが離れてしまったような寂しさを覚えてしまうのだ。
 赤星くんも蛍くんも最終回では、決定的な「誰かと付き合う」展開はなかったが、なんとなくこれからをほのめかすような、「俺も別の人見つけて幸せにならなきゃな、フッ」みたいに前を向こうとしている感じがある。

やめてくれ。別の人を見つけようとしないでくれ。一生ヒロインを好きなおまえでいてくれ。

 その点花沢類ときたらマジ最強だ。賢者か。つらいこともあるかもしれないがずっとつくしのことを想っていてくれ。

当て馬男子には幸せになってほしいと思っている

 別の人を見つけないでくれと思いながらも私は彼らの幸せをめちゃくちゃ願っている。ただ、続編とかサイドストーリー的なものは怖くて読めない(本当は読みたい気持ちがあるんだけど、もし別の人と結婚なんてしていようものなら地雷。それで言うと赤星くんの未来をうわさには聞いてるけど読めない)。私が望む彼らの幸せは「とにかく一途に主人公のことを想い続けて、何かのはずみで主人公と幸せになる」こと。おそらくほとんどありえないのでマジ不憫。

ちなみに最推し

草摩夾 フルーツバスケット高屋奈月

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 実は当て馬ポジションだと思っていた。透は由希とくっつくんだろうな……と思っていた(最初に登場したのが由希だったから)。しかし真知の登場あたりから少しずつ私の期待は膨らんでいった。もしかして夾くんが報われる……!?  透も夾くんが好き……!? というか透のことを好きだと自覚した夾くんやばい。顔優しすぎ。思えば思うほど夾くんのことが好きになった。別荘編&修学旅行編マジ最強だった。きっと私は報われない男子だから好きなのではなくて、「報われないとわかっていても好きでいる」男子が好きなのだ(夾くんはとにかくいろんな意味で報われないと自分で思っている。本当に報われてよかったね………)

 勝手な願いだけれども、報われなかった彼らには、どっかの世界線でなんとか報われていてほしい。なのでどうか幸せになって、当て馬男子。