今日もめくるめかない日

映画「さがす」を観た(あきらかに有料コンテンツ)

 先日アマプラで映画「さがす」を観たのですが、10日以上経った今でも、ふと映像が頭に流れてきて離れない。とにかく強烈な映画だった。映画を観た夜はクソヤバな殺人鬼に追われ部屋に追い詰められ窓の外からじっと見つめられいつ殺してやろうか…?みたいな視線を向けられ恐怖を煽られるという夢をみてしまった。こわすぎるわあほんだらァ……。

sagasu-movie.asmik-ace.co.jp

「岬の兄妹」の片山慎三監督が佐藤二朗を主演に迎え、姿を消した父親と、必死に父を捜す娘の姿を描いたヒューマンサスペンス。大阪の下町に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と言う智の言葉を、楓はいつもの冗談だと聞き流していた。しかし、その翌朝、智が忽然と姿を消す。警察からも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にされない中、必死に父親の行方を捜す楓。やがて、とある日雇い現場の作業員に父の名前を見つけた楓だったが、その人物は父とは違う、まったく知らない若い男だった。失意に沈む中、無造作に貼りだされていた連続殺人犯の指名手配チラシが目に入った楓。そこには、日雇い現場で出会った、あの若い男の顔があった。智役を佐藤が、「湯を沸かすほどの熱い愛」「空白」の伊東蒼が楓役を演じるほか、清水尋也、森田望智らが顔をそろえる。
映画.comより)

 

 指名手配犯を見かけた、そいつを捕まえたら300万円をもらえる、という言葉を残し突然消えてしまった父親。その父親をさがす娘がたどり着いた先に、その指名手配犯の影が浮かび、さがしているのは父親なのか指名手配犯なのか……とどんどん謎につつまれ、そして謎が解明されていくという内容。


 とにかく出演者全員まじで演技がやばすぎる。父親役である佐藤二朗さんの醸し出す小汚さ、憎めなさ、必死さ、哀れさ、切なさ……すべての感情を詰め込みまくっているのにそれを隠している、観ているほうはそのことがめちゃくちゃに伝わってくる。まったく目が離せない。言葉を発せず、表情と動きで感情を表す場面があるのですがすごすぎた。言葉のない演技がまじでうますぎる。
 娘役の伊東蒼さん、しようがない父親に怒りつつも憎めない娘の言動や表情がめちゃくちゃ自然。あと物事に突進していくパワーもすごい。びりびりくるものがある。わざとらしさがまったくない。
 そして指名手配犯を演じる清水尋也さん、やばすぎる。この役はSNS希死念慮のある人をさがし、望み通り殺していくという人物像で、常人には理解できない(したくない)やばすぎる男なのですが、やばさの表現具合が1000%超えてました。鳥肌とまらねぇガクガクブルブル状態です。

 

 前半は父親が失踪し、娘が父親をさがす話がメインで、後半になるとなぜ父親が失踪したのか、指名手配犯との関係性はなんなのか……がわかってくるのですが、謎があきらかになるにつれ、しんどいのパラメータがどんどん上がって最終的に壊れる。というのもすでに亡くなっている母親(妻)がこの父娘にはいるのですが、この母親が、あの、あわわわわ、重大なネタバレになるのでもうこれ以上は言えねぇ……。ていうか少しでも内容言おうとするとぜんぶネタバレになるから「やばい」としか言えねぇ……。

 

 さらにメインの三人に加え、もう一人、森田望智さん演じるムクドリという女性が出てくるのですが、いちばん感情を揺さぶられたのはこのムクドリかもしれません。でもこれ以上は言えません……。

 

 指名手配犯の口ぐせに「これは明らかに有料コンテンツ」というものがあるのですが、この一言にやばさが詰め込まれていて、これを言えるということが本当に冷酷で最悪な殺人犯であることを表しているのですが、ある思想を持った人からは冷酷で最悪な殺人犯にならないこともあるかもしれなくて、そこに対する答えを、人間はもしかしたらさがしているのかもしれないよね……と思いました。でも答えにたどり着きたくはないです。知りたくないよ。

 

 結局「やばい」としか言えなかった。決して気分のいい内容ではないので、大声で「みんな観てー!!」とかは言えないのですが、大丈夫そうだったら観てください。
 現在アマプラで見放題配信中です(あきらかに有料コンテンツですが!!)私は今度「岬の兄妹」を観ることにします。

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