今日もめくるめかない日

ヤクルト1000はすごいのかもしれない/怠惰のための無理しない生活

 先日健康診断に行ったら体重が増えていてヤバイなと思った。いや、年々増えているなとは思っていたけど、体重計に乗るのもなんかいやだし(現実逃避)、まあまだ許容範囲であろうと自分に甘く過ごしていたら、そろそろこのまま放置しておいたらかなりヤバイ気がすると思える数値になっていた。

 しかしダイエット…?とか無理。食事制限…?適度な運動…? 考えただけでも無理み。無理みの極み。身体を動かしたり節制したりとか、本当に本当にやる気が出ない。休みの日の歩数なんて五歩のときとかざらにある。五歩ってなんだよ。七つの大罪のうちどれかひとつ与えられるなら、わたしは間違いなく“怠惰”の烙印を押される。Wikipedia七つの大罪を調べてみたら、「七つの死に至る罪」と書いてあった。死…!?

 

    健康的にもまずいということで、仕方がないので朝歩いてみることにした。しかし怠惰なので毎日は絶対に無理。週二日でもできればたいしたものよ、という気概ではじめた。長距離歩くのも絶対に無理。家から職場の往復で毎日の平均の歩数が4000歩だったので目標を6000歩にした。6時に起きるのをめざして6時半に起き、1時間歩けたらいいなという理想のもと、30分歩いている。まずはこれくらいでいいのだ、十分がんばってる。もうこれは怠惰の名折れである(名誉じゃないけど)。

 

 そんな生活を一週間(たった一週間!)したところで、会社で「最近早起きして歩いてるんですドヤァ」と報告をしたら、「健康に気をつかうのはいいことだ、よりいっそう健康になるためヤクルト1000を飲むべし」というアドバイスを上司からもらった。

 ヤクルト1000、調べてみると「ヤクルト史上最高密度の乳酸菌」「腸内環境改善」「ストレス緩和(一時的な精神的ストレスがかかる状況での)」「睡眠の質向上」「肌質改善」……となんかもう謳い文句がすごい。もちろん※個人差があります的な注釈はあるだろうけれども、なにやらものすごい自信である。値段も少し強気である。

 最初は眉唾だな……と思っていた。しかしなぜかヤクルト1000の話を聞いてから、ツイッターでもこの話題を目にすることが増えた、この引き寄せの法則たまに起こるけどなんなの。こうなったら百聞は一見にしかずということで、買ってみた。

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 わたしの生活がいったいどうなるのか、とりあえず七日間記録してみる(七本入りだから)。

 

 と、ここまでを二週間くらい前に書いていた。一日ごとの身体の状況を記録してみよう、それってなんかブログっぽ~い!とか考えていたけれど、まったく記録していない。さすが怠惰の烙印を押された女。朝雨が降っていると「今日は歩かなくていいんだ!やったー!」とか思ってしまう。ただ、ヤクルト1000を二週間続けて飲んだ現在、たしかにお通じが増え、お腹を壊すことが減り、目覚めがよくなった気がするのだ。わたしはiPhoneのアラームを5分おきにスヌーズしないと不安でたまらない人間だが、早く目が覚めたら覚めたで即二度寝かます人間でもある。しかし最近、スヌーズを待たずに起き上がれることが増えてきた(決して毎回ではないが)。これすべてヤクルト1000の効能……?

 たとえば風邪っぽいと思ったとき、お腹が痛いとき、薬を飲んだ瞬間に「治った気がするな」と思えるほどわたしは思い込みが激しい。そして仕事や環境が変わったら三か月後に必ず風邪を引くなど、わたしの身体はとにかく単純にわかりやすくできている。だからもしかしたら自分に暗示をかけているだけなのかもしれない。「話題のヤクルト1000を飲んでいるのだから身体はすこぶる絶好調になるはずである」と脳が理解し身体に信号を送っているのかもしれない。「ヤクルト1000はとにかくすごいらしい」と思えば、身体もそれに倣う気がする。いや、つまりそれって結局ヤクルト1000による効果が実際に出ているということなのかもしれないけど。

 

 とりあえず二週間続けてみて思った。ヤクルト1000はすごいのかもしれない。なにより朝ちゃんと目が覚める。5時40分にアラームをかけて、5時40分に目が覚めるし布団から出られる。この布団から出るという行為がそもそも難関で、目を覚ますだけならなんとかなるけれど、起き上がる、というのがとにかく怠惰にとっては大変な所業なのである。それが、なんかよくわからないけど、起き上がれる。意味わからん……。もしかしてもうわたし怠惰じゃない……? 怠惰はヤクルト1000で倒せる……?

 でも最近、時間をうまく使いましょうねと効率的な時間の使い方などを提言している人に話を聞く機会があって、その人は「自分が絶好調のときに目標を決めてしまうので、そもそも理想が高すぎて失敗することが多い」と言っていて、本当にそのとおりだなと思った。現にわたしは今日5時40分に起きることができたから、「5時30分に毎朝起きてもっとたくさん歩いて超健康になってもいいんじゃない…?」とか考えていた。危なかった。そんな無謀な目標を設定しようとしていた。あくまでも自分は怠惰ということを忘れることなかれ。

 

 なんにせよ、無理しないことが大切である。無理せずヤクルト1000の力を借りて、週二日歩く生活をもう少し続けてみようと思う。それにしても早起きが本当に苦手なわたしだが、朝6時に活動している人の多さにはほとほとひれ伏す。バスに人が乗ってる。コインランドリーに洗濯物を持っていく人がいる。先生が学校に入っていく。少し広い公園ではラジオ体操が行われている。犬と散歩をしている人がいる。小鳥が高い声で鳴いている。荷物を運びながら声を掛け合う人がいる。

 布団でごろごろしているのがなにより至高だが、朝の広々とした道を歩いていると、「ふーん。なかなかおもしれー空気じゃん」と思えて、まあ楽しいこともある。

 

 あと、ヤクルト1000を届けてくれるバッグ、でかすぎである。

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