今日もめくるめかない日

すごくがんばっている

 三連休あけの火曜日、どうしようもなく疲れている。というのもいやでいやで仕方がなかった社員旅行から帰ってきた翌日、まったくいつもどおりに仕事をしなくてはいけないという地獄のスケジュール、昨日の飛行機だって夕方すぎに空港に到着、家に着いたのはすっかり夜だというのに、せめて、せめて午前中は休みにするなどないんですかね………と一縷の希望を持っていましたがあえなく玉砕、このスケジュールを考えた人のことをわたしはバカと名づけます。「愚か」と書いて「バカ」とよむほうです。

 

 あんまり詳らかに書くとさすがに特定が怖いので詳細は省きますが、とにかく大変な旅行で、ふつうに体力が持たないのと気をつかうことが多いので妙な心労、自宅に帰ったときの夫との会話のしやすさといったら!驚くほど感動してしまった。わたしが選んだパートナーめちゃくちゃいいやつだな……これからもよろしくなと激しく感謝したら「なんだこいつ」という顔をされましたが、さすがに疲労困憊ぶりを慮ってくれたのか、普段より若干やさしくしてくれた。

 

 とはいえ旅行いやすぎ組はわたしのほかにももちろん大勢おり、ていうか9割以上がいやだと思ってんじゃないかと考えているけれど、いやすぎ組と飲んだりしゃべったりなど楽しい時間もあったはあった。しかしお店のなかでよい感じのBGMが流れてくると、期間中のことすべてが美しい思い出に塗り替えられそうでこわい、あれ?この旅行もしかして楽しかったんじゃない…?という錯覚に陥りそうになるたびに、悪趣味全開のパーティーの催しを思い出してはげんなりし、楽しくない楽しくない騙されてはいかんと言い聞かせるなど。情緒の浮き沈みがとにかくすごかった。ただ大雨がすごい日があったなか、帰る日がいちばん晴れていたのはさすがにざまあみろと心のなかで吐き捨てた。日頃の行いってやつですよ、とモブがこっそり思っているのよ。

 

 それにしてもこの旅行に行かないという決意をした人もいるわけで、参加者もえらいし、しっかり断れる人もえらい。ほんと、みんながんばってるよね。働いたり生活したり、なんかもうがんばりすぎ。普段、通勤中の電車内では本を読んでいるけれど、今日は本をひらく元気もなく、ただずっとぼうっとしながら、終点までいってそこからさらにどこか知らん駅に乗り継いで、どこかに逃げてやりたい気持ちにもなったけれど、旅行を断る勇気のないわたしにそんなことができるわけもなく、出社して、旅行を共にした人と特有のアイコンタクトをとりながらパソコンの電源をつけて日報に微塵も思っていない「社員旅行ありがとうございました、今後も励みます」なんてことを書いてしまう。いまのところ、というかきっとこれからも、わたしはそういう生き方をしていくだろう。でもそれはそれで、すごくがんばっている。