今日もめくるめかない日

つまんない作品はふつうにできあがる

「推しの子」読んでる。おもしろい。とてもおもしろい。絶対におもしろいから!と熱弁してきた友人の言葉はなにひとつ間違っていなかった。エンタメの王道を最大限に演出してくれるところがいい、だってそれまで認められていなかった人が努力によって認められる展開とかそりゃみんな好きでしょ…わたしは大好き…盛り上がる場面でOP曲流されるみたいなの、好きでしょ、わたしも大大大大好き。序盤から刺さるシーンがどばどば出てくるんですが、わたし今のところ好きなのは漫画家の先生同士がメディアミックスについてばちぼこに言い合う場面。

 とくに「貴方も私も3本描けば2本はつまんない原稿上げるじゃない」というセリフが好きで、考えてみればどんな人だってつねに完璧な作品をつくれるわけじゃない、ただつねにおもしろい作品を求めてしまうからつらい。でもつまんない作品ができたって、そのうちのいくつかおもしろいのができればいいよねって、なんかとてもすとんと胸に落ちて気持ちが楽になった。つまんない作品をつくってしまうのは恥ずかしいと思う、でもつまんない作品くらいふつうにできあがるよね。つまんないさわたしの作品なんてさ、でもだれも読んでくれる人なんていなかった、小説を書きはじめたころは、なぜか本当に心の底から、自分の作品がいちばんおもしろいと思っていた。大海を知ってしまった以上、あのころの気持ちを等しく今も抱くことはできないけれど、一瞬でもいいから自分のつまんない作品を、めちゃくちゃおもしろいじゃんと思える時間があるなら、今はそれでいいか、と思ったりなどした。

 

 最近はふたつめの短編の筆が止まっていて、それは「これっておもしろいのか」という例のあれに悩まされていたからなのですが、ちょっと吹っ切れてきたのでまた書きはじめられそう、もう30枚はつまんなくてもできあがってるんだし、ラストシーンから書いてそこからひたすら修正していこうと思う。まあラストシーン微塵も浮かんでないんですけど。

 一人称で書いていたけど三人称にしてもいいかもなと考えたりしているので、すごく修正しないといけないかもしれない。果たして間に合うんだろうか……。

 

 どうして夏が終わると日が落ちるのが突然はやくなるんだろう。18時くらいにふと外をみたらすっかり真っ暗で、寒くなってくると太陽は重くなるのかと思う。重いから、傾きはじめると一気に沈んでいくのだと思う。や、まわっているのは地球なんだけど。

 

 夫が転職活動をがんばっている。よさそうと言っていたところ、無事最終面接にすすむらしくめでたい。でも決算の都合やらなんとかで、もし内定が出ても入社は年明けになるらしい。年内ぜんぶ休みの人が家にいると思ったら怒り狂ってどうにかなってしまうかもしれない。心が狭い……。

 

 最近小説をぜんぜん読めていない。小説書いているときはあんまり影響を受けないように読むのをセーブしているというのもあるんだけれど、いま読んでいる途中の本の内容がちょっと難しくて時間がかかっている。もう読むのやめちゃおうかなと思うんだけど、性格なのかな、いちどひらいたら最後まで読まないといけない気がしてしまって閉じれないときがある(よっぽど合わないのは読むのをあきらめる)。そろそろ小説読みたい。下半期の芥川賞候補とかちんぷんかんぷんです。情報にまったく追いついていない。いろいろ気になっているタイトルはあるのです、とてもありがたいことだけど、この世にコンテンツが多すぎて時間が足りないね。

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 静かな場所だった。なんか降臨しそうな雲。